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福祉オンブズマンの誕生
なぜ福祉オンブズマンは、生まれたのですか?

福祉サービスを利用する人の権利擁護を支援するためです

 社会福祉基礎構造改革のなかで、福祉サービスのあり方が大きく変わりました。これまでの福祉は、措置制度(法律に従って役所がサービスを決める制度)によって与えられるもので、利用者が自らサービスを選択し、自分で決めるものではありませんでした。それが、利用者自身がサービスを選び、契約するというあり方に変わったのです。このことは、サービス事業者(事業所)が、質の良いサービスを提供しなければ、利用者から選ばれないことを意味します。このためサービス事業者にとっては、利用者からの意見や苦情、不満、要望を受け止め、自ら改善していくことが必要となります。

 見方を変えれば、利用者が自分らしく生きていくため、事業者のサービスに対して意見や苦情、不満を表明する権利が認められたことになります。つまり利用者と事業者は、対等になったのです。しかし、「お世話になっているから」「事業者に直接なにか言ったらサービスが受けられなくなってしまう」のように対等になれない利用者や、自らは声をあげることが難しい福祉サービス利用者や福祉サービスを必要とする人たちがいます。そのような人たちの声を聴き、代弁していく権利擁護の仕組みとして、第三者が利用者に直接話しを聴き支援する福祉オンブズマンが生まれたのです。
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相模原福祉オンブズマンネットワークの設立
相模原福祉オンブズマンネットワークは、どのような理由でできたのですか?

地域ネットワーク型福祉オンブズマン

 事業所や地域において、福祉サービスを利用するまたは必要とする人の権利を守り、その人らしい生活を実現するために、新しい形である地域ネットワーク型福祉オンブズマン活動として湘南ふくしネットワーク・オンブズマンが1997年に設立され活動を開始しました。その後、この形の活動は、神奈川県内のいくつかの地域で生れました。

 事業所とオンブズマンは、立場は異なりますが、将来的には事業所の中だけではなく、地域社会において、その人らしい生活を送ることができるノーマライゼーション社会(障がいのある人もない人も共に生きる社会)を構築するという理念のもとでそれぞれ活動を展開しています。この理念に賛同し2004年8月に相模原福祉オンブズマンネットワークが設立されました。
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福祉オンブズマンの使命
福祉オンブズマンは、どのような使命を担うのですか?

ノーマライゼーション(共に生きる社会)を目指します

 利用者の方々の声(たとえば、福祉サービスを利用したくても利用できない、不満や要望を言いたくても言えない、誰に相談してよいかわからない)に耳を傾けます。そして利用者の側に立ち、その声を受け止め、その意思を尊重し、問題の対応や解決を図っていきます。それには利用者とオンブズマンの関係だけではなく、事業所、職員、家族、そして地域の人たちとの協働が必要となります。一人の利用者の声の実現を中心に、福祉サービス利用者や福祉サービスを必要とする人たちが、市民として地域社会で暮らせるよう、社会変革に努め、ノーマライゼーションの実現の流れを地域の中に作っていくことがオンブマンの使命です。
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福祉オンブズマンの役割
福祉オンブズマンには、どのような役割があるのですか?

利用者の権利擁護を図ることが役割です

 福祉サービスの利用者に適正なサービスが提供されることを目的に、利用者の苦情解決に対応します。また、利用者の意思表示を促進する活動、情報公開の推進など利用者の権利擁護を図る役割をします。具体的には次のようなことをします。
 (1)利用者、家族からの苦情、要望、意見を傾聴する。
 (2)利用者が考えること、決めること、訴えることなどを支援する。
 (3)利用者等からでてきた問題点を事業所職員、関係者と協議し、提言や助言をする。
 (4)行政、社会等に対して具体的な提言をする。
 (5)事業所サービスの質の向上を図る。
 (6)利用者の人権と基本的自由が尊重されているかチェックし、権利侵害があれば救済する。
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福祉サービス利用者の権利
福祉サービス利用者や福祉サービスを必要とする人たちの権利は、どのような権利ですか?

誰もがもっている権利と特に違うものではありません

 具体的には次のような権利です。
 (1)地域で生活する権利
心の安心と身体面での安全性が守られているか
住んでいる地域に適切な福祉サービスを提供する機関がないからと、他の県・市町村の機関を紹介される不安が解消できるか
市の障害者福祉計画に基づいて、必要で適切な福祉サービス事業者(事業所)の育成は十分に行われているか
 (2)質の高いサービスを受ける権利
    ・個別的ケアを受けているか
    ・ケア計画や福祉計画の策定に参加しているか
 (3)自己決定・自己選択する権利
 (4)わかりやすい情報を受ける権利
    ・わかりやすい言葉でコミュニケーションが行われているか
    ・判断力の乏しい利用者へのコミュニケーションの工夫が行われているか
 (5)意見・質問・苦情を表明する権利
    ・苦情や要望が「わがまま」と言われてしまうことはないか
    ・苦情や要望に対して説明が行われているか
    ・苦情や要望が組織や仕事のあり方に生かされているか
 (6)プライバシーの保護に関する権利
 (7)自己尊重の念と尊厳を維持する権利
    ・個人として尊重されているか

 *権利擁護の「擁護」とは・・・

 擁護とは「保護してあげる」ことではなく「支えること、エンパワーメント」ということです。
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福祉オンブズマンの種類
福祉オンブズマンの種類は、どのようなものがありますか?

主な福祉オンブズマンが5種類あります

 福祉オンブズマンには、オンブズマン制度が生まれた歴史的時間的順番とオンブズマンの構成員・行政の関与などを考慮すると次のような種類があります。
(1) 事業所単独型オンブズマン (2) 地域ネットワーク型オンブズマン (*下欄参照)
(3) 市民連動型オンブズマン (4) 行政型福祉オンブズマン
(5) 当事者型オンブズマン

*地域ネットワーク型オンブズマンとは

 単独の事業所で開始されたオンブズマン活動が、県内の地域の中で広がるにつれ、単独の事業所内のみの活動に限界が見えてきました。そこで、県内の福祉圏域に沿った地域ネットワークが構想されました。地域ネットワ−ク型オンブズマンは、地域内の福祉サービス事業所が相互に協力し合いながら、地域の福祉サービスの向上を目指します。

 オンブズマンによって、利用者の苦情、要望が事業所に伝わり、加入事業所全体のサービスの質が向上し、良質なサービスが提供されることになります。これは、同じ地域の未加入事業所にも影響します。結果として地域全体の福祉サービスの質の向上が図られるのです。
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相模原福祉オンブズマンネットワークの活動姿勢
相模原福祉オンブズマンネットワークの活動の大切な姿勢は、どのようなことですか?

事業所とオンブズマンは、協働して権利擁護に取り組みます

 相模原福祉オンブズマンネットワークは「地域ネットワーク型オンブズマン」として活動します。オンブズマンは、あくまで福祉サービス利用者の立場に立って支援し、オンブズマンが事業所(事業者)に対して要望等の代弁をすると同時に、事業所(事業者)を糾弾するという場合もあるかもしれませんが、それだけではなく、事業所もオンブズマンも権利擁護に取り組む姿勢を持ち、同じ方向を向き協働型を目指し、オンブズマンの権利擁護活動をとおして事業所サービスの向上につなげます。
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